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グラウンドには銭が落ちている

今でもよく耳にする「グラウンドには銭が落ちている。人が2倍練習してたら3倍やれ。3倍してたら4倍やれ。銭が欲しけりゃ練習せえ」という言葉。元は南海ホークスの黄金時代を築いたミスターホークスこと鶴岡親分が選手のプロ意識を向上させる為に良く使っていた名言です。

生き馬の目を抜くプロの世界。試合で戦う相手は当然他球団の選手なのですが、チームメイトとの争いに勝たなければ試合にすら出られません。外野手なら3人。内野手なら4人ですが1塁は基本的に助っ人外国人のポジションなのでほぼ3人の枠。憧れのプロ野球選手になったとしてもテレビで見てたスター選手からポジションを勝ち取らなければ銭は稼げませんし、助っ人外国人・トレード・FA・ドラフトで次から次へとライバルは増えていく世界で銭を稼ぎ続けることがどれだけ大変な事でしょうか(それだけに稼ぐ銭も大きいのですが)。

「彼(敵)を知り己を知れば、百戦危うからず」で有名な孫子の兵法に「彼(敵)を知らずして己をしれば1勝1敗す、彼(敵)を知らず己を知らざれば戦う毎に必ず敗れる」との一文もあります。これは敵の実情を知らなければ我が身をわきまえても勝ったり負けたりの戦いになる。敵のことどころか自分自身をわきまえなければ全敗するという意となります。

野球は日本で一番メジャーなスポーツ。どこの小学校でも野球部があり土日毎に試合が行われています。小学校で活躍した野球少年は中学でも野球漬けの日々を過ごし、更に名門高校にスカウトされてシゴキ上げられます。更に夢を追い大学や社会人、そしてプロに入れる割合はどれほどの物なのか。日本ではマイナースポーツのサーフィン。キッズからプロを目指してサーフィン漬けの生活を送ったサーファーの7割がプロになっているのと対照的です。

ですからドラフト会議で指名される選手はいわば「神様」のような存在な訳です。小学校から誰よりも早い球を投げ誰よりも遠くまで飛ばしていた選手。そんな神様ばかりを集めた更にその上澄みがプロ野球の世界なのです。(伊藤の守備はとても神様なんて呼べるものではありませんがね)

さて北條。先日のスポーツ紙に「阪神北條3年目の決意、仕事人で開幕1軍」とありました。そこには「もういいんです。周りから見れば野球自体は一緒ですけど、プロは次元が違う。ホームランバッターは外国人か日本人でも身体がでかい人。この体で打てるか!って逆に思います。(今の姿を)周りに何か言われたとしても、なんとも思わない。」とのコメント。更に「とにかく良い仕事をしたい。守備、バント、エンドラン・・・。1軍の試合でランナー2塁。進塁打のサインが出て、セカンドゴロを打てたらそれで100点満点なんです。」とも続けていました。

光星学園の4番で甲子園のバックスクリーンにポンポンと運んでいたスター選手のコメントとして淋しいと思うのか、頼もしいと思うのか(頼もしくはないか笑)は人それぞれかもしれません。しかし北條なりに周りを見て自分を知った上で銭を稼ごうとしているのではないでしょうか。投手は全て田中将大やダルビッシュではありませんし、打者は全てトリプルスリーを狙える選手ばかりではないのですから。逆にいつまでも藤川球児の分かってても打てないストレートを目指す鶴の敵も自分もの見えて無さったら・・・。

そんな北條。ここまで1軍のキャンプにずっと帯同し、練習試合でもショートを守り続け予想以上の堅実な守備を見せています。課題の打撃(そこまで悪くもないんですけど)でも昨日はタイムリー2ベースを放ちアピール成功。嬉しいことに中谷にも一発が出ます。このままいけばローテ投手の出揃うまでのお試し開幕1軍、更に初打席も巡ってくるでしょう。何とか銭を掴み取って欲しいものです。

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